「結婚という制度に縛られたくない」「お互いがお互いを大事にしていたらわざわざ法律上の手続きをする必要はない」等、事実上の夫婦の関係でありながらも、結婚しないでずっと恋人でいる形を選択する男女も増えてきています。
有名人で言えば、ヤフーと資本業務提携して代表を退任すると先日発表した元ZOZOの前澤氏が、法律婚しない生き方をしていますね。
今回は、実際は夫婦のように生活をしていても、結婚しないで「事実婚」を選択するメリットやデメリット等について考えていきたいと思います。
目次
結婚しない事実婚カップルのメリットは?

結婚しないで、ずっと恋人同士の「事実婚」を選んだ場合のメリット・デメリットを考えてみましょう。
- 姓を変えなくてすむ
法律婚をした場合、夫婦同姓にする事が現行の法律で定められています。どちらの姓にするかまでは指定されていませんが、一般的には夫の方の姓に変える場合がほとんどです。
姓を変えた後は、免許証・マイナンバーカードなどの各行政機関、銀行やレンタルショップ等での表記変更手続きをする事になります。更に、もし離婚した場合は、再度変更し直す事になりますね、、、^^;
これらの手続きは、わざわざ時間を作って各機関に行って手続きしないといけないので、結構面倒くさいです、、、。
事実婚の場合は、これら面倒な手続きをする必要がないので、メリットと言えますね。
- パートナーの親兄弟や、親類に縛られない
結婚(法律婚)すると、嫁姑問題や気の合わない配偶者との身内付き合い等、それまでにはなかったストレスが発生する可能性があります。
「彼(彼女)の事は好きだけど、その親・兄弟と付き合いをする事でうまれる余計な摩擦は避けたい」という考え方ですね。
事実婚の場合は、パートナーの身内(親・兄弟、親戚)に縛られないので、パートナーとの関係だけを重視していたら良くなります。
- 何らの手続きを踏む事なく相手と簡単に別れる事ができる
事実婚の場合、事実婚を始めるのに何らの手続きも必要ありません。また、別れる時もなにか特別な手続きをする必要はないので、簡単に別れる事が出来ます。
法律婚の場合は、行政上の手続き以外に、職場や身内に離婚の報告をする事になるので、かなりの労力を使うそうです。
離婚を経験した知人は「結婚は簡単に出来るけど、離婚は結婚の時とは比べ物にならないくらい負担が大きいから二度と経験したくない、、、」とぼやいていました^^;
- 戸籍が傷つかない
法律婚をして別れた(離婚した)場合、離婚手続きをする事になります。
その際、戸籍に離婚した事が記載されますが、事実婚の場合はそのような記載がされません。そもそも、法律上の手続きをしていないので、当たり前ですね。笑
なお、昔は戸籍へ離婚の記録が残る事を嫌がる人も多かったのですが、現在は記録が残るのを嫌がって事実婚を選ぶ人はごく少数だと思われます。なので、メリットと言えるかどうか断言しづらい部分もあります。
事実婚した場合のデメリットにはどんなものがある?

それでは、続いて事実婚のデメリットを考えていきましょう。
- 財産の法定相続権がない
パートナーが亡くなってしまった場合、内縁の妻や夫では、法定相続する事が出来ません。これは、長年連れ添っていたとしても同様です。仮に2人の間に子供が居たとしても、それを理由に相続権が発生する事はありません。
- 配偶者控除が受けられない
婚姻関係にある一般家庭の夫婦の場合、通常38万円の配偶者控除を受けられる余地があるのですが、結婚していない内縁関係の場合は、控除を受けられる対象から外れてしまいます。
この配偶者控除があるかないかで、課税される金額が大分変わってきます^^;
- 子供が産まれた場合『認知』する必要がある。
日本の社会は、事実婚カップルと、法律上の夫婦とで違いを明確にしています。なので、2人の間に子供が産まれた場合でも、パートナーの男性が当然に父親と認められるわけではなく、『認知』する必要があります。
結婚しないでずっと恋人同士でいるのは難しい?2人の間に出来た子供はどう感じる?

これまで事実婚のメリット、デメリットを考えてきましたが、結婚しないでずっと恋人同士でいるのは、当人同士が法律婚との違いをしっかり理解していて、互いに納得していれば、ありかと思いました。
ただ、事実婚状態の2人の間に子供が出来た場合、その子供が大きくなるにつれて、両親(事実婚の父母)の状況をどう感じるようになるのか、気になります。
法律婚していないと、互いの姓は同じではないはずなので、
『お母さんと自分の名字は同じなのに、お父さんの名字が違うのはどうして?』
と、疑問に思う時が来るはずです。その時、どう説明するのでしょうか?
子供としては、『2人は本当にお互いを好きなのかな?大事に思いあっているのかな?』と、不安な気持ちになると思います^^;
私の両親は普通の結婚(法律婚)をしていましたが、私が物心つく前に不仲になりました。
そして、離婚せずに別居という形を選択したのですが、私が成長するにつれて、
「友達の家は両親が居るか、離婚して片親のどちらかなのに、自分の家はどうゆう事なんだろう、、?」とその状況(両親が別居中)を理解できないまま成長しました。
思春期の頃は、「自分のアイデンティティとはなんだろう?」とまで考えを巡らせました^^;
私は両親が別居しているという状況の中で、深く思い悩んでいたので、事実婚状態の中で育つ子供は、まっすぐ成長するのかな?と疑問が残ってしまいます。
もちろん、今後、法律婚に対する価値観が変化していく可能性があり、事実婚も夫婦の一つの形と社会的に広く認められる(大多数に受け入れられる)事も考えられます。
ただ、そこに至るまではまだまだ時間がかかると思いますし、今の世間の価値観
「法律婚が夫婦の正しい形で、事実婚は法律婚したくても出来ない特殊な事情がある人が行うもの」
という見方に対抗してまで、事実婚を通す意地を私は持とうとは思わないし、持てる程のメンタルはないですね。汗
なお、私と同じ30代の男性が
「子供が出来るまでは結婚しないで恋人のままで居て、子供が出来たら結婚したら良いや」
という考えをしていた場合、女性側の状況等にもよりますが、私はその男性をオススメしません^^;
女性の場合、年を重ねると年齢的に出産が難しくなる事情もあり、望んだ時にいつでも子供が出来るわけではありません。
「恋人のまま生活して、子供が出来たら結婚したら良い」
という中途半端な考えの男性は、女性のそんな事情を理解しておらず、私からすると、家族を持つ覚悟や責任を取る気がない自分勝手な男性、という印象になるからです。
こんな男性の言葉の裏には、
「結婚してしまうと、将来相手が嫌になった時に簡単に別れる事が出来ない。子供が出来たら仕方なく結婚したらいい」
という、無責任さが見え隠れしてしまいます^^;
最後に
「結婚しないでずっと恋人同士の関係の方が楽」という考え方も理解出来ます。
確かに、結婚をすると、それまでなかった負担が増えたり、大きくなるのを感じますし、実際に『あーもー煩わしい、、、』と思った事は一度や二度ではありません。笑
ただ、私の場合は結婚した事で「守ろうと思う存在が出来た」という気持ちが芽生えたので、結婚して良かったと思っています。
恋人同士の時は、そこまでの責任感はなかったので、結婚した事で自分の中の責任感が強くなったのを感じ、仕事に対してそれまで以上に真剣に取り組むようになりました。
また、私をどうにかこうにか育ててくれた親に対して、感謝する気持ちが出てきました。
事実婚に対しては、まだまだ「気軽、フットワークが軽い、軽薄、無責任」というネガティブなイメージが根強いと思います。更に、法律上も法律婚の夫婦を前提、優先にしています。
それら批判的な目線や、制度上有利とは言えない状況を、すべて受け入れる覚悟があるのか?
そして、2人の間に子供が出来た場合でも法律婚はしないのか?それとも、その時は結婚するつもりなのか?
最低でも、上記2点はパートナーと話し合って結論を出さないと、後からギクシャクしてしまう可能性があると思います。
これらを考慮した上で、結婚しないでずっと恋人関係で居る事に決めたのなら、周りがそれ以上言う事はないでしょう。
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