別居した家庭で育った子供の心理状態は?離婚や仮面夫婦の方がまだマシ?

夫婦が別居を考えるのは、夫婦関係に何らかの問題が生じている場合だからだと言えます。家庭において特に問題が起こっていなければ、当然別居を考える事はないはずです。

国が行う調査で、日本国内の別居している家庭を調査した資料はないようですが、厚生労働省がまとめた2018年の資料(人口動態統計)によると、離婚件数は207,000件にのぼるそうです。

(参照:厚生労働省 平成30年(2018)人口動態統計の年間推計)

離婚件数が約20万件あるという事は、離婚に至らないまでも、なんらかの理由で別居している家庭も少なくないと思われます。

実際、私も幼少期、両親の不仲により別居しており、幼稚園にあがる直前までは母の基で育てられ、幼稚園から高校卒業するまでは父の基で育てられる、という経験をしました。

また、両親が住んでいる場所は、互いの家から子供の足で徒歩10分圏内で通える範囲で、行こうと思えばいつでも行き来できる距離でした。

なので、

【両親が一緒に住んでいないのに、離婚していない。歩いて行ける距離なので、一緒に住んでいない親の所に行かないと寂しがる】

という状況の中、母に気を遣い、父や一緒に住んでいた祖母(父の母)にも気を遣い、苦しかったです、、、(なお、両親は最終的に別居から10数年後に離婚調停の末、離婚しました)

このような経験をした私が、お子さんをお持ちの家庭で、夫婦関係の悪化により、別居を考えているお父さん、お母さんに対して、子供目線での当時の心境をお伝え出来たらと思います。

目次

両親が別居状態の家庭で育った子供の心理は?

両親が離婚せずに別居した場合、子供の心理としては、どっちつかずで苦しい気持ちになります。

小学校の入学時、私が当時一緒に住んでいたのは、父(と祖母)でした。一緒に住んでいない母も、近くに住んでいた為、入学式に普通にスーツ姿で来ていましたが、父や祖母の手前、どう接したら良いのか分からず戸惑いました。

母を無視して父や祖母と一緒にいると母が傷つくし、かといって、母にくっつくと育ててくれている父や祖母に申し訳ないし、、、という気持ちでした^^;

入学式以外にも、運動会や発表会、卒業式にも、母は来ていましたが、やはり素直に喜べなかったのを覚えています^^;

また、学年があがるにつれて、私が母と一緒に住んでいない事をなんとなく知った友達から、私の家庭の事や、母の事を聞かれる機会も増えていきました。

友達としては、母と一緒に暮らしていないのに、運動会や発表会、授業参観に毎回来ている事が、子供ながらに単純に不思議に思ったようでしたが、私としては触れられたくない負の部分を見られているようですごく嫌でした。

もしその時、両親が離婚していたら、「うちは両親が離婚してるから・・・」と言いやすかったのですが、別居の意味をどう受け取って、どう説明したら良いのか分からず、葛藤やストレスがありました^^;

なので、今離婚ではなく、別居を考えているお父さん・お母さんには、子供の為を思うなら、別居という中途半端な状態にするのではなく、離婚も選択肢に入れて検討して欲しい、というのが両親が別居している家庭で育った私の意見です。

別居はあくまで数日、数ヶ月が限界で、何年も何十年もするような事は止めて欲しいです^^;

離婚したら子供はそんなに傷つかない?

ただ、ここで勘違いして欲しくないが、

「離婚の方が、別居に比べて子供は傷つかない」わけではないですし、
「別居の方が、離婚より傷つかない」わけではありません^^;

各家庭の状況は様々で、私のように10年以上も親が別居状態だったのは、稀なケースかもしれませんし、離婚した親を持つ子供としては、『離婚するぐらいなら、まだ別居の方がマシだった』という意見の子供も居るでしょう。

義母が、以前中学校の学校事務をしていたのですが、ある授業参観の日に、母子家庭の生徒の様子がおかしくて、授業が始まると居なくなっていた事があったそうです。

学校中を探すと、人気のない所で震えて隠れていたという事があり、すごく胸が苦しくなったと話していました、、、。

母子家庭・父子家庭の生徒が皆、そのような行動をするわけではないと思いますが、親が離婚した家庭の子供は、表向きは平静を装っていても、心の中は傷ついていると思います^^;

別居もダメ、離婚もダメなら仮面夫婦で乗り切る?

ここまで、親が別居した家庭の子供の心理状態、離婚した家庭で育った子供の様子を知って、

『別居しても、離婚しても子供が傷つくなら、いっその事、子供の為に仮面夫婦で生活していくのはどうか?』

と考えた方も居るかもしれません。

しかし、

大人が思っている以上に子供は、敏感なので、仮面夫婦の違和感はほほ確実に見透かされると思います^^;

友人の両親は、その友人や妹(子供達)の為に、夫婦仲は破綻していても離婚したり別居したりせずに、下の妹が高校を卒業するまでは、仮面夫婦のまま生活する選択をしたそうです。

もちろん、そんな選択をした事を親が子供に言う事はなかったそうですが、早い段階でその友人や妹さんは気づいたそうです^^;

両親がどんなに取り繕っても、子供心に不仲なのは分かったようで、その状況は辛かったようです。

子供(自分たち)のせいで親が離婚しない(離婚できない)という事が、責任を押し付けられている気がしてすごく嫌だったそうです^^;

別居、離婚、仮面夫婦が子供に及ぼす悪影響は?

子供は、大人が思っている以上に敏感で、物事の理解が出来ます。

もちろん、子供なので、分からない部分も多々ありますが、「なんだか分からないけど、違和感を感じる、、、」というケースは実際にありました。

父は絶対に母の事を口に出しませんし、祖母は私が母の所に顔を出したのが分かると、母の文句を言わないまでも、快く思ってない事は雰囲気で分かりました。

また、母は私と別居後、一時期他県へ出稼ぎに行きましたが、その時『自分は大好きだった母に捨てられたんだ、、、』と寂しくなった事を覚えています。

そんな状況で育つと、人からの愛情を100%信用していいのか分からなくなります^^;

このような経験から、親が別居している家庭、離婚した家庭、仮面夫婦の家庭で育った子供は、少なからず親からの愛情に対して素直に向き合えない、受け止めきれない、時期を経験すると思います。

子供の心をどうケアしたら良い?

親が別居したり、離婚した家庭で育った子供の心理状態は複雑で苦しむ事が多々あります。
できればそのような結果は避けたいのですが、どうしても夫婦関係を今後を続けていく事が困難な場合もあるでしょう。

今後の夫婦の関係修復が困難との結論が出た場合、子供が傷つくことは避けられません。この場合、大人がケアしてあげる必要がありますが、どのようにしてあげたら良いのでしょうか?

※なお、別居の場合、実状は片親世帯(母子家庭・父子家庭)でも、法律上は婚姻関係が続いているとみなされるので、片親世帯が受けられる公的補助を受ける事が出来ません。行政サービスの面から見ても(長期間の)別居のメリットはほとんど無いと思います。

別居や仮面夫婦よりも、再スタートをしやすいのは離婚を選択した時だと思いますので、離婚を選択した場合で考えたいと思います。

  • 離婚前に約束事項を取り決めておく。

離婚前に約束事項をしっかり決めておく方が良いでしょう。別れた後まで揉めたくないですし^^;

下記は経験者として、事前に決めていて欲しかった事ばかりです^^;

  • 子供の前で互いの悪口を言わない。

互いに相手の悪口を言うと、子供ながらにどちらかの見方をしないといけないのかな?という気持ちになってしまいます。

  • 子供が内容を理解できないうちに離婚した詳細を伝えると、誤解する恐れがあるので、わざわざ言わない。

母は、夫婦の不仲の経緯を小学生の私に話していましたが、これはやめて欲しかったです。内容をちゃんと理解出来たのは、高校卒業後でしたが、それまでは父が90%以上悪いと勘違いしていました^^;

  • 子供が、お母さんの前ではお父さんの話し、お父さんの前ではお母さんの話しを、気軽に出来るような雰囲気作り、環境作りをする。

言動だけでなく、態度も気をつけて欲しいです。また、相手(お父さん・お母さん)の話しに触れない、というのも、見えないプレッシャーになります^^;

最後に

両親が離婚ではなく別居を選択し、それが何十年も続くような状況になった場合、子供の心理としては、どっちつかずで苦しい気持ちになります。(本当にしんどいです^^;)

また、離婚の方が、別居に比べて子供は傷つかないわけでもありません。表向きは普通でも、心の中はザワついているでしょう。

更に、子供は、大人の予想以上に敏感なので、仮面夫婦の体裁を保とうとしても、あまり意味がないと思いますし、逆に余計傷つけてしまう可能性すらあります。

なので、今後、夫婦の関係修復が難しいとの結論になった場合、仕方のない事ではありますが、子供が傷つくことは避けられません。
この場合、親がどれだけ子供の心のケアをしてあげられるのか?

その点を十分考慮して、一つ一つ相手(奥さん、旦那さん)と取り決めていくようにして欲しいと思います。